<こんなわたしでごめんなさい。番外編> 作品を通してChiMyが伝えたかった「自分らしく生きる」ためのヒント

CULTURE / ART

ASBSの人気連載「こんなわたしでごめんなさい。」ではキャッチーなポエムとイラストで多くの人に寄り添ってきたChiMyさん。その50作品を一挙に楽しめる個展がA.F GALLERYで開催中。独占インタビューで、包容力のある温かい作品に込められた細やかなこだわりを探りました。

ー個展の開催おめでとうございます。「こんなわたしでごめんなさい。」のタイトルにはどんな意味が込められているのでしょうか。

このタイトルは実はわたしの妹のアイデア。長く連載になるものだし、ゆくゆくはこうした個展や書籍化する時のタイトルにもなるものがいいな……とあれこれ悩んでいたら、ぽんっとアイデアを出してくれたんです。私自身、誰かに何か嫌なことやムカつくことを言われた時「こんなわたしでごめんなさいね!」っていう反骨精神というか開き直る気持ちになることが多いのですが、それが今回のシリーズのテーマにぴったりだなと。誰にでも嫌なことってあると思うけど、マイナスになってしまうような部分を少しでもプラスに変えられるような作品を手がけたかった。タイトルに「こんなわたしでごめんなさい。でもこれがわたしなの。」というニュアンスを込めたことで、境遇の異なるみんなをまるっと肯定してあげられるようなシリーズになったんじゃないかなと思います。

ーポエムのフレーズなど、作品のインスピレーションはどこからきているのですか。

普段から、自分の実体験から生まれたネガティヴな感情友達から受けた悩み相談を聞いて感じたことをメモするようにしていて、そのメモを遡りながら制作しているものが多いですね。メモを見ながら一つ作品のテーマを決めて、それに合った場面をイラストに起こし、その後にポエムを考えるという順番。今考えると、自分の中に溜まったネガティヴな感情を消化させてストレス発散することができていたので、自分にとっても精神衛生を保つ良い手段になっていたなと思います。

ーイラストを描くようになったのはいつからですか。

小さい頃からよく絵を描いていました。イラストレーターとして本格的に絵を描き始めたのは21歳〜22歳の時。当時はDJとしての活動が主軸だったので、なかなかイラストだけに向き合う時間は作れなかったんですけどね。本腰を入れるようになったのはここ最近、それこそコロナ禍に入ってからです。今回の連載期間は、かなり自分のイラストと正面から向き合えた時間。今回の連載を通してイラストレーターとしてまた一皮剥けたんじゃないかなと思います。

ー今回のシリーズでのこだわりポイントを教えてください。

作品を通して見てもらうとわかると思うんですけど、基本的におうちの中にいる女の子を描いています。外に出ていてもベランダくらい。何かに悩んだり考えている時って、部屋の中で一人になることが多いじゃないですか。個展の会場も真ん中にベッドを置いて、まるで部屋の中にいるように。作品と同じ世界観を再現して没入できるようにしています。あとは肌の血色感を出すためにチークで色をつけているのもこだわりポイントですね。じわっと内から滲むような肌の赤みって、色鉛筆だとどうしても再現できなくて。ほっぺやお尻など、体の立体感を出すためにこだわったポイントです。描かれている女の子のつま先がピンっと伸びているのもわたしの作品の特徴かも。私自身、昔新体操をやっていたこともあって「足先まで美しく」というのは意識しました。

ー50作品を一気に見られる個展。並べて楽しめるからこそ注目してほしいポイントはありますか?

実は、ちょうど折り返しの真ん中を境に絵のタッチを変えています。25作品目までの前半は、線がペンで描かれているのでメリハリのあるポップな印象。26作品目からは、鉛筆で描いた後ペンでなぞらずに色をつけているのではっきりとした線が無く、淡く柔らかいタッチになっています。通して見てみると絵の雰囲気が全然違うので、その違いも楽しんでもらいたいですね。あとは50作品並べて見た時の私の絵の成長もぜひ感じてもらいたいです。

ーズバリ、ChiMyさんの一番お気に入りの作品は?

難しい質問……!どの作品も思い入れがあるのでなかなか選べないですが、強いていうなら一番最初の作品と一番最後の作品ですかね。最後の作品は、イラストがお気に入りなのももちろんなんですけど、ポエムもお気に入り。「このシリーズでこんなことを伝えたかったんだ」っていうのがわかるような、タイトルの答え合わせみたいになっているんです。タイトルに込めた想いとかが最後になってようやく明かされる感じ。だから、個展でも順番に最初から最後まで見てもらった後、もう一度最初から見てもらうとまた新鮮な気持ちで楽しめるんじゃないかなと思います。

ー個展という一つの大きな目標を達成した今、次に挑戦したいことについて教えてください。

個展を開くのもずっと思い描いていた夢だったので、まだ次のことを考える頭に切り替わっていないところもありますが、いつか私の作品をまとめた本を作りたいです。イラストとポエムをセットにして何かを伝えるというのは今回のシリーズで見つけた新しい自分のスタイル。どんな人が見てもグッと引き込まれるようなキャッチーなポエムや説明とイラストをセットにして、本という一つの作品にしてみたいです。

 

「こんなわたしでごめんなさい。」個展の開催は11月14日(日)まで。
会場にはChiMyさんも在廊しているから、本人と直接お話もできちゃいます……!
イラストの原画やステッカーの販売も大好評。入場無料だから、ぜひ気軽に足を運んでみて。

INFORMATION

「こんなわたしでごめんなさい。」

ガールライクでPOPなイラストと女の子の気持ちに寄り添ったポエムが女性達の支持を得ているイラストレーターのChiMy(チャイミー)が東京で初となる個展「こんなわたしでごめんなさい。」を原宿のA.F GALLERYにて開催。
今回の個展「こんなわたしでごめんなさい。」は2021年の2月からWEB媒体の「ASBS」にて始まった連載企画。
素直になれなくて不器用だけど愛がいっぱい、中々言い表せない言葉や気持ち、女の子の溢れる感情をChiMyがポエムとイラストにのせて表現していくというコンセプトのもとスタートした。

会期 / 2021115日(木)~1114日(日)
会場 / A.F GALLERY
住所 / 150-0001 東京都渋谷区神宮前3丁目21-8 ASOBIFACTORY 1F
開館時間 / 12:00~19:00
入場料金 / 無料

ChiMy
イラストレーター/DJ

1992年11月15日、兵庫県生まれ。大学卒業後、独学でイラストレーターを始める。 今どき珍しい手描きのラフな線にビビットなカラーを用いたカラフルでポップなイラストはChiMyの特徴。日常の中にChiMyのイラストがあると元気になれる。そんなパワー溢れるチャイミーillustrationに今後も注目!

https://lit.link/chimy

ASBS

ライフスタイル・ファッション・ビューティーなどの情報を中心に、東京の今を読者に届けていきます。また、「自然体のオシャレでいられる」「オシャレの居場所を見つけられる」という価値を世の中の女性にもたらしていくことで、人々の生活を豊かにしていくメディアです。