「女の子たちの味方でいたい」Dear Sisterhood ブランドディレクターの瀬戸あゆみさんに独占インタビュー
PEOPLE
10代の頃からファッション誌の専属モデルを務め、常に自身のアイデンティティをファッションで表現してきた瀬戸あゆみさん。その唯一無二のスタイルは、20代のおしゃれを諦めたくない女の子たちから熱烈な支持を集めている。今回はそんな瀬戸さんがディレクターを務める「Dear Sisterhood」の秋コレクションに合わせて独占インタビューを実施。ブランドに込める想いや、自身のファッション遍歴など深掘りしてみました。
ー2020年の春にローンチした「Dear Sisterhood(以下、DSH)」ですが、このブランド名はどこからきているのでしょうか?
ブランド名を考えた時に “シスターフッド” という言葉がまず最初に浮かびました。“シスターフッド” には、同じ目標を持つ女の子たちという意味があります。私自身、いつだって女の子たちの味方でいたいと思っているので、ぴったりの言葉だなって思って。先頭につけた “ディア” という言葉は、私から女の子たちに届ける手紙のような気持ちを表しています。
ー昔からファッションブランドをやりたいという思いはあったのですか?
実は、このブランドの前にも「Aymmy in the batty girls」というブランドをやっていて、DSHは二つ目のブランドになります。昔から洋服がすごく好きなので、一生洋服に携わっていたいと思っています。
ー一つ目のブランド「Aymmy in the batty girls」とはどのようにイメージを差別化されていますか?
「Aymmy in the batty girls」は、アメリカのロサンゼルスに住んでいる架空の女の子をイメージして作っていたのに対して、DSHではもう少しリアルというか、自分のファンの子、25歳前後の女の子たちをイメージして服作りをしています。そういった年頃の女の子たちに「大人になるにつれて、ファッションも変わっていかなくてはいけない」という他人が勝手に作った常識や社会の圧力に負けないで、「おしゃれをもっと楽しもう」というメッセージがお洋服を通して伝わってくれたらいいなと思っています。
ー素敵なメッセージですね。お洋服を作るうえで大切にしていることとか、こだわっている部分はどういうところでしょうか?
可愛いものが好きだけど、それをどうファッションに落とし込んだらいいのか分からないという悩みをよく聞きます。そういった「私には可愛すぎて着れない」と思ってしまう子が「このブランドなら着れるかも」と感じられるように、ポップすぎず、ちょうどいい”今の気分”を感じてもらえるような服作りを大切にしています。
ー秋コレクションのシーズンテーマについても教えください。
今季のテーマは “Just Take It Easy”。頑張りすぎずに、もっと気楽に肩の力を抜いていこうというメッセージを込めました。振り返れば、1st シーズンのテーマは “More Self Love” で、もっと自分自身を愛そうというものでしたし、毎回なにかしら私の中の気持ちとリンクしていますね。今回も自分に「頑張りすぎなくていんだよ」というやさしい言葉をかけてあげたいと思って、このテーマになりました。おしゃれだって頑張りすぎなくても可愛いんだよというのをみんなにも伝えたくて、秋冬は重たい毛皮のファーではなく軽くて楽なボアのアウターを作ってみたり。洋服にもかなりメッセージが落とし込まれていると思います。
ーお洋服をみるとサイジングなどもこだわられているんだなと感じました。
服作りにおいて、スタイルアップは常に意識していますね。足が長く見えるようにとか、身体の細いパーツだけ出すとか。私にも色々とコンプレックスがあるので、自分をよく見せるための着こなしのコツとかは昔からすごい研究してきたんです。ワンピースも切り替えを高い位置に作ることで足を長く見せ、Aラインにすることで隠したい部分をカバーしています。色々な角度から可愛いと思ってもらえるように工夫しているんです。
ーDSH のお洋服は鮮やかなカラーバリエーションも魅力です。色使いは何からインスピレーションを受けていますか?
その時々の気分を色使いに落とし込むことをいつも考えています。今季は “Just Take It Easy” というテーマの通り、色でもゆるいムードを表現できたらなと思いました。パープルとオレンジという普段だとなかなか組み合わせないような、パッと出てきたような色の組み合わせからも気楽な雰囲気を伝えられたらなって思っています。
また、毎回シーズンネームをつけるようにしていて、タグもブランドのネームタグと一緒にシーズンネームのタグを作っています。毎シーズンテーマに合わせて色も変えるので、そこも色のこだわりの一つですね。実際、コーディネートや洋服作りでも、色の組み合わせを考えるときが一番ワクワクする。逆にワントーンってあんまりしないかもしれません。
ーお洋服に興味を持ち始められたのはいつ頃ですか?
中学生の頃は、雑誌の『KERA』を読んでいてゴスロリファッションをよくしていました。そこが多分おしゃれの目覚めだったんじゃないかな。当時から他の人と違う格好がしたいというちょっとひねくれた子供だったんです(笑)。そこから、高校に入るちょっと前くらいに『Zipper』という雑誌を通して原宿系と呼ばれるファッションを知って、こっちの方が幅広いアプローチができて、より自分らしさを出せるのではと一気にシフトチェンジしました。
ー色々なファッションを経験してこられたと思うのですが、10代の頃の好みや感覚って今でも自分の中に残っていると思いますか?
さすがにゴスロリの好みは残っていないと思うんですけど、マインドは変わっていないと思います。他人がどういう服を着たりとか、他人がどういう目で見ているのかとかはいまも昔もあまり気にしていないです。私服 通学OK の高校だったので、当時は髪の毛を緑色に染めていたり、廊下を歩く時に黄色いサングラスをかけていたり、いつも派手な格好をしていました。それもいま振り返ると全部いい思い出になってる。ダサいかもしれないからってオシャレしないよりはやり切った方がかっこいいと思いますね。
ー若い頃に色々と挑戦したことが今のファッションにも繋がっているという感じですか?
そうですね。実際、好きなものはずっと変わっていないと思います。私はタトゥーを入れていて、「なんで入れたんですか?」や「理由は?」とよく聞かれます。でも、ただ自分の好きなモチーフを入れているだけなんですよね。自分の気持ちが変わらないという自信があったし、今も全然後悔はしていないです。逆に歳を重ねて変わったところは、足し算引き算ができるようになったことかな。昔は足して、足してだったんですけど、今は引き算がちょっとできるようになった、そのくらいです。
ー他人の目は気にしないという考えは、学生時代に自分の個性をファッションで表すようになってから行き着いたのでしょうか?
もちろん中学生の頃とかは、田舎に住んでいたのでゴスロリの格好して同級生に会ったり、駅でサラリーマンにジロジロ見られたりすることを恥ずかしいと思う時もありました。だからこそ、今こうやって反面教師のように言えるんだと思います。私のファンの中にも、私みたいに派手なファッションをしていた子が就職を機にだんだんと地味になってきた子がいて。その時、本人もすごく悲しそうな顔に見えたんですよね。納得していないというような……。そんな経験が身の回りでもすごくたくさんあったので、私だけは最後まで派手を貫き通さなきゃと思うようになりましたね。
ーそんな瀬戸さんの姿から励まされる人も多くいそうですね。
このブランドを始めた時に、多くの方からそういった意見をいただけました。今のメッセージを伝えたら、「すごく嬉しかった」と言ってもらえて、私もとても嬉しくなったのを覚えています。
ー瀬戸さんご自身がファッションで影響を受けた人はいますか?
80年代のアメリカ青春映画の世界観がずっと好きです。自分にはジョン・ヒューズ監督の 80 年代の映画が染み付いているので、その映画の中のキャラクターのファッションには無意識にずっと影響されてきたんだろうなと思います。
ーこれから挑戦してみたいファッションのテイストとかアイテムとかって何かありますか?
ウエスタン調のものが個人的に気になっています。今回、秋ルックの撮影のためにずっと欲しかったウエスタンブーツを買ったんです。お気に入りのウエスタンハットと合わせて、色々楽しみたいです。
ートレンドに左右されずに好きなものを貫くところが素敵ですね。その日のコーディネートとかって、普段どうやって決めているんですか?
好きな服を好きなように着ているかと思えば、意外と TPO も考えているんですよ。例えば、歯医者に行く時はエアコンが効いているので若干露出を控えるとか(笑)。あとはブランドのデザイナーさんとランチする時は、そのブランドの洋服を着たり。温度も考えるし、会う人も考えます。DSH を始めてから、普段のコーディネート写真もブランドの PR に繋がるので、まずは着たい服を1アイテム決めて、色々足していきながら選んでいくようにしていますね。
この投稿をInstagramで見る
ー瀬戸さんのファッションが好きな人におすすめのヘアメイクとかのポイントって何かありますか?
雰囲気を出すためにメイクって本当に大事。洋服に合わせて、チークとアイシャドウとリップといったカラーメイクのトーンやテイストは合わせたいですね。白いブラウスとデニムに赤リップとか、フレアデニムに古着っぽいチェックのネルシャツを合わせるんだったらオレンジのリップとか。
ー最後に、DSH のアイテムを手に取った女の子にはどんな気持ちになって欲しいですか?
私は自己肯定感が全てだと思っているので、DSH を着る女の子たちにも無敵と思って欲しいですね。オシャレをして「すごいイケてる」とか、「今日の私可愛い」って自信を持って街を歩くと、本当に他の人の目にも可愛く映ると思うので。そういう意味でも、ファッションは武器だと思っています。
INFORMATION
プロフィール
瀬戸あゆみ
クリエイティビティ溢れるセンスが注目され、同世代から絶大な支持を得ている。本人の趣味である旅行や映画鑑賞、インテリアなどライフスタイルもSNSを通じて絶えず発信されている。アパレルや飲食店プロデュース実績も多数あり。自身のブランド「Dear Sisterhood」のディレクターも務める。
ブランド情報
Dear Sisterhood
ティーンエイジャーだった女の子も、大人の女性になる。
大人の女性になったあなたは、自分を変えたいと思う。
でも、すきなもの全てを変えて欲しくない。
Dear Sisterhoodは、女の子だったあなたの
お姉さんのような存在。
大人の女性にとって何がキュートで、
何がわくわくするのか教えてくれるから。
わくわくすることに、年齢なんて関係ない。
社会の目も、ボーイフレンドの意見も、友達の変化も、
本当は何も気にすることなんてないんだ。
“どれだけ大人になっても、自分のすきなもの、
心からときめくものに常に囲まれていたい。”
Dear Sisterhoodは、そんなあなたの味方。
Instagram:@dear_sisterhood
[お問い合わせ先]
営業時間:平日 11時~17時 土日祝日は休み
メール:dearsisterhood@picki.jp