栗林藍希の、いまのすべて。これからのもっと。

PEOPLE

15歳から本格的に芸能活動を開始し、今年で5年目を迎える栗林藍希さん。「映画に助けられてきたので、自分も作品を通して誰かに寄り添えるような俳優になりたい」と話してくれた。しっかりと言葉を選び、落ち着いたトーンで話す彼女だが、小中学生の頃は地元・新潟県のサッカーチームに所属していたアクティブな一面もある。現在は俳優業と並行して音楽活動も行ない、「もっと明るいキャラクターも演じてみたい」と意欲を見せる。穏やかそうに見えて、実は情熱を秘めているタイプ……?気になる素顔に迫ってみた。

今日のコーディネートのポイント、そして普段のファッションについても教えてください。
これはマネージャーさんと一緒に選んだ衣装なんです。普段はデニムばかり履いていてボーイッシュな服装が多いので、今回みたいに衣装を着るときは普段着ないようなものを選ぶことが多いですね。今日も可愛いワンピースを着て気分はウキウキです(笑)
自分のファッションについては、両親の影響が大きいなと感じています。両親が若い頃はちょうど裏原宿系のファッションが流行っていた頃。UndercoverやGOODENOUGHなど、ブランド物のアイテムを両親から譲ってもらうこともよくあります。

メイクやスキンケアにはこだわりはありますか。

メイクは、普段全くしないんです。口紅も使えないくらい、元々肌がすごく弱くて。だからメイク用品に限らず服も、肌に優しいものを選ぶようにしています。
スキンケアで大事にしていることは、何より保湿。19歳になってからは肌荒れしなくなったのですが、それまでは結構荒れていました。当時は“どうやって隠そう”とか色々気にしていたのですが、今はあまり気にしないようにしています。
日々意識的に行なっていることもあります。朝は、起きたら窓を開けて陽を浴びて深呼吸。夜は、湯船に浸かるのが好きなので必ず浸かりますし、体が重たい時はお風呂にさらにバスソルトを入れてたくさん汗をかくようにしています。そういうのって、当たり前だけど時間がないと後回しにしてしまうようなこと。意識して毎日のルーティンにすることで、心も身体も軽やかに過ごせている気がします。

このお仕事を始めたきっかけを教えてください。

きっかけは地元、新潟の「新潟美少女図鑑」に載せていただいたこと。
14歳くらいから半分芸能活動をしていたのですが、実はモデルをやりたかったんです。それは両親の影響で服が好きだったこともあったと思います。だけど自分自身、映画を観たり本を読んだりすることで助けられて生きてきたので、自分も誰かのそういう存在になりたくて女優を目指し始めました。
そのタイミングで今の事務所のマネージャーさんからInstagramで連絡をもらいました。直接会って話してみて、この事務所に入ろうって決めました。当時は何事も直感でやりたいことをやろうって勢いだけでやっていましたね。それが15歳の時でした。

好きな映画や、この仕事をしようと思ったきっかけになった映画はありますか?

映画を好きになったきっかけは、中学生の時に観た『時計仕掛けのオレンジ』。ちょうどモデルを地元でやり始めた頃で、そこで出会った自分よりも経験が豊富な先輩たちと一緒に観ましたね。映画って、それまで父と観ることしかなかったんですけど、こういう気持ち悪い映画もあるんだって思って衝撃的だったのを覚えています(笑)
そこからジャンル問わずたくさん映画を観るようになりました。その時はとにかく非現実的なものを求めていました。

15歳で入って今年で5年目ですね。これまでに印象的だったお仕事はありますか?

初夏に公開される作品を撮り終えて、試写を見たのですが心から良い作品だなと思えましたね。コロナ禍で先が見えない中での撮影でしたが、作品の世界観が好きだったのと、今までにないくらい大きな規模だったので撮影が始まる前からずっとドキドキしていました。撮影期間もとても楽しくて、現場の良い雰囲気が全部スクリーンに出ていたなと思います。元々Webドラマの作品だったものを映画化するということで、チームの団結力がとても強かったんです。映画化を持ち望んでいて早く作品を作りたかったんだなっていうのが伝わってくる現場でした。
「物作りをしている感覚ってこういうことなんだな」って改めて実感することができた作品だったので、是非たくさんの人に観て欲しいですね。

女優をしていて良かったと思う瞬間はどんな時ですか?

色んな人と出会えて話せることです。
お仕事を始めてなかったら出会えなかった人もたくさんいるので、そこが良かったなと思います。本当に皆さん素敵な方達ばかりです。

俳優という仕事の中で一番盛り上がる瞬間はいつですか?

作品に向けてみんなそれぞれ一人で溜め込んで準備をしているので、キャストやスタッフで集まってその溜め込んだものを解放して披露する撮影期間はすごく楽しいです。でもやっぱり大切なのは、そうやって出来上がったものをたくさんの人に観てもらうことなので、公開期間中も“みんなどんな反応なのかな“とワクワクしますね。

逆に大変なのはどんな時ですか?

一人での準備期間ですかね。お仕事が決まった時はすごく嬉しいけど、台本を頂いてから役を作っていく時間は何度やっても慣れないです。正解もないので、役作りのために一人で向き合って戦い続けるのはやっぱり難しい。
他にも色々あるけど、そこが一番大変だなって思います。

栗林さん自身の個性や強みはなんだと思いますか?

周りからは、“落ち着いている”とか“陰の空気がある”とよく言われます。そういうミステリアスな部分があるから、幅の広い役を任せていただけるんだろうなと思っていますし、自分でも強みだなと感じています。
だからこそ、今は逆を目指しているというか、ここから変えていきたいなと思ってます!
落ち着いているっていうのは、若いからこその個性だと思っているんです。大人から見て、“若いのに落ち着いているね”っていうような。これからはそうじゃなくて、自分の中に変わらずにある良い部分とか個性みたいなものを分かってもらえたら嬉しいです。

これまでに自分自身と向き合うきっかけになった言葉や座右の銘はありますか?

前にインタビューして頂いた時に「私は私」っていう座右の銘を決めたんです。でも今は違うなって思っています。というのも、「自分は自分」って言っても人と関わらないと始まらないのが女優という職業。今は人と関わって、そこから生まれる楽しいことを求めている自分がいるんです。
ある講師の方からも“何事も面白がった方がいいよ“と言ってもらったことがあります。私自身の性格がすごく難しいから、面白がることができたら楽に生きることができるよって。
その言葉がすごく響いたので、今は楽しむことや面白がることを一番大切にしています。今も意識して実践しているけど、絶対にプラスになっているはず。
言われたことを無碍にするんじゃなくて真っ直ぐに受け止めて、これからももっとたくさんの人と関わりたいなと思います。

一番集中している時はどんな時ですか?

紙とペンがあるところに一人で向き合ってる時です。
なんでも良いんですけど、電子機器で作業するよりも紙とペンがずっと好き。
紙とペンがあると集中できるんです。だから台本を読む時も、紙とペン。
そういう人結構多いんじゃないかな。

不安やストレスで辛いと思った時は何をしていますか?

前向きなことを考えて気を上げます。
解決の仕方がわからなかったんですけど、最近は楽ですね。人の意見をちゃんと聞いて取り入れてみようって思えるようになりました。ご機嫌取りが上手になったというかやっと理解できたかなって。
段階を踏みながらちょっとずつ大人になってきた感じがしています。

コロナ禍の時期、暮らし方や働き方の変化はありましたか?

元々あんまり外に出ないので、自粛期間中はそこまで苦しくなかったですね。だけど散歩する機会は増えました。元々散歩が好きなんですけど、更に頻度が増えた気がします。
私、川を見ることがすごく好きなんです。一人で川の近くに行って、音楽を聴くわけでもなく、ただただ川の音を聞いたりもします(笑)
二子玉川が好きでそこから川にハマったんですけど、戸田公園の荒川や神田川・・・。知れば知るほど川ってこんなにあるんだなって思いました。
散歩をしながら川を辿っていくと、“この川はここに繋がってるんだ”っていう発見もあってすごく面白いです(笑)

一番リラックスできる時はどんな時ですか?

ご飯を食べている時かなあ。食べている時が一番無になれますね。
好きな食べ物は、ラーメンと天丼!あとコロッケとうどんも!(笑)
サッカーをやっていた時は、一食3合のご飯を食べていたので、それで胃が大きくなっているのかも。食べることは本当に大好きなので、たくさん食べちゃいます。

これまでで挫折したこととか壁にぶち当たったことってありますか?

中学生まで続けていたサッカーでは挫折しました。小学校までは、運動神経が良かったこともあって男の子に負けたことが無かったので、すごく自信があってメンタルも強かったんです。
でも中学生になったタイミングで、新潟のJリーグチームに入ってみると、周りのレベルの高さに圧倒されました。
私はそれまで技術を習得しないまま運動神経だけでやってきたので、体もぼろぼろだし技術もない。それまで負け知らずな私だったけど、チームに入って他にもたくさんうまい女の子がいることを知ってしまい、気持ちもガクッと下がってしまいましたね。さらに小学生の時にケガした膝が悪化し、半年以上リハビリに専念していたら、さらに周りとの差が広がってしまって・・・。ここから膝も治るか分からないし、このままサッカーにこだわり続ける必要あるのかっていうことをたくさん考えて、辞めることを決めました。
それが本当に悔しくてサッカーを避けて生きてきたくらい。
でも、高校サッカーで選手が全力でプレーする姿に勇気をもらってからは、サッカーに対してのそういった嫌な気持ちは無くなりました。

目標としている女優さんはいらっしゃいますか?

この人っていう特定の人はいないです。でも、自分自身作品に救われてきたから、同じことをしてあげたいとは思っていて、そこは忘れたくないですね。同世代の人や私よりも年下の人に寄り添えたり、“この女優さんのおかげで元気になった“って思ってもらえる女優になりたいです。

これからお仕事で挑戦したいことがあったら教えてください。

今までは暗い雰囲気の作品が多かったので、明るい役ややったことのない役を挑戦してみたいです。
あとは音楽活動もやっているので、女優業と両立して歌手としての活動ももっとやっていきたいです。女優と音楽活動をきちんと両立することができたら、すごくいい相乗効果みたいなものが生まれると思うんですよね。何かと何かを並行してやるということが私はすごく苦手なんですが、音楽活動をしているうちに失敗を恐れないようになったので、そういった苦手意識は捨てて新しい挑戦もどんどんしていきたいです。

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