#ayumi_cinema 〜12月のテーマ「南国」〜

CULTURE / ART

自他共に認める映画通の瀬戸あゆみが、毎月テーマに沿った映画をPICK UP!今月のテーマは「南国」。南国にまつわる物語の作品をご紹介。映画好きによる、映画好きのための映画紹介。まだみたことのない素晴らしい作品に出会えるかも?

ザ・ビーチ

ザ・ビーチ <特別編>
DVD発売中
¥1,419+税
20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン

今月のテーマ、”南国”と聞いてまず思い浮かんだのが、この映画。

2000年公開。ダニー・ボイル監督の【ザ・ビーチ】。

舞台は、今でこそ東南アジア屈指のリゾート地、タイのピピ島。

 

物語ではこう語られていた。

”完璧なビーチ。海からは見えない、隠れた秘密の島。真っ白な砂浜。どこまでも透き通った水。ココナッツがなるヤシの木。”

リチャード(レオナルドディカプリオ)は南国の楽園を求め、その幻のビーチを探しに旅に出る。

辿り着いてみるとそこには、文明社会から離れ、新しいコミュニティを確立し楽しく暮らす人間たちがいた。

絶対にそのビーチの存在を外部に漏らしてはいけないというルールの下。

でも、人間の集団生活というのにはやはりトラブルがつきものであり、たとえお金や文明がなかったとしても、コミュニティがあるということはカースト制度があり、私利私欲があり、裏切りがあり、傷つく者がいて、それを傍観している者もいる。

明日は我が身かもしれない、と恐怖が生まれる。

そして恐怖は伝染していくものである。

 

この映画は、自分だけ良ければ非人道的なことでさえもやってのけてしまう人間のご都合主義さ、人間の強欲さなどがよく表現されている。

ひとえに”楽園”なんてものではない。

集団生活には裏切りが、たった一人で生きていくのには孤独がつきまとう。そもそも自由には責任が伴う。

人は人と、ある程度の距離感を保って、社会に貢献する役割を担い、安心できるスペースでお互いを尊重し合いながら生きていくのが結局一番幸せなのだと、私は思う。

 

Blue Crush

『ブルークラッシュ』
Blu-ray:1,886 円+税/DVD:1,429 円+税
発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
※ 2019 年 12 月の情報です。

2002年公開。ジョン・ストックウェル監督の【ブルークラッシュ】。

舞台はハワイのオアフ島ノースショア。

そこに生まれ住むガールズサーファーのお話。

サーフィンにはてんで疎いわたしだが、この映画は波にCGを一切使っていないらしく、自然な姿がそのまま映し出されていてその透き通った海に癒される。

海は綺麗だが、サーフィンはわたしの中では随分と危ないスポーツのイメージで、主人公のアン・マリー(ケイト・ボワーズ)が海の中で珊瑚礁に頭をぶつける回想シーンは毎回思わず目を瞑った。

彼女は3年前のパイプライン・マスターズ(非常に凶暴な波を乗りこなせるかのコンテスト)で溺れた経験があり、それがトラウマでそれからずっと大会に出場できていなかった。

今年こそは、と彼女の実力を知る親友たちとも期待をし、優勝を目指していたが、大会直前でバケーション中のハンサムなスターアメフト選手マットと出会い、恋に落ち、プリティー・ウーマン的な体験をして、すっかり浮かれてしまうのだ。(いつだって女の子は恋をすると弱くなる。)

そんな彼女に親友のエデンは冷たく言い放つ。

「あんたは天才サーファーよ。彼とは2〜3日でお別れ。あとに何が残るの?ハイヒール?」

とても愛と信頼に満ちた叱咤激励だとわたしは思う。

 

アン・マリーはもう一度大会に挑戦し、恐怖心に打ち勝つことができるのか。

今回の”南国”のテーマに合った、ビキニ姿のヘルシーな女の子たちによる、ガールパワーな作品。

 

Spring Breakers


「スプリング・ブレイカーズ」
Blu-ray&DVD発売中
Blu-ray:¥4,700+税/DVD:¥3,800+税
発売・販売元:東宝

2013年公開。ハーモニー・コリン監督脚本の【スプリング・ブレイカーズ】。

この寒い寒い12月に、なぜASBSは”南国”というテーマを設けているのだろう。そういう疑問も過ぎるが、わからなくもない。

かくいうわたしもこれを書いている3日前まで、南国に逃避していた。

この映画の舞台と同じ、フロリダ州マイアミに。

 

一つ前に語った【ブルークラッシュ】のヘルシーなビキニガールズとあえて比べてみると、こちらはセクシービキニギャルズといった感じ。

前者がアースカラーのビキニにぺったんこのビーチサンダルというナチュラルなスタイルに対して、こちらはネオンカラーのビキニにナイキのボリューミーなスニーカーという出で立ちである。ヘルシーガールズはノーメイクだったけど、セクシーギャルズは、アイメイクだってばっちり。

比べる必要はないけど、2本だてで見たので違いが面白かった。

どちらの女の子たちも魅力的。

監督の作品は、GUNMOも脚本を努めたKIDSも、特に映像のセンスが抜群。

シーン一つずつが際立ち、人々の記憶に強烈に残る。

セクシーなビキニの女の子たちが銃を持ち覆面マスクをかぶり、いかにもギャングスターの男とオープンカーに乗っている絵などを映画にしてしまう。

ブリトニー・スピアーズの曲で舞い踊る彼女たちの未来は、果たして明るいのか?

電話でママに約束していた通り、このめちゃくちゃになってしまった春休みのことだけなかったことにして、また人生をやり直せるなんて、可能なのだろうか。

南国での思い出は、映画ではいつだって忘れられないものでもある。

INFORMATION

瀬戸あゆみ

1993年3月12日生まれ
埼玉県出身
身長:153cm
趣味・特技:映画鑑賞、読書、カメラ

Twitter:https://twitter.com/setoayumi
Instagram:https://www.instagram.com/setoayumi

ASBS

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