今だから言える私の失敗 〜青柳文子 編〜

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“失敗”という言葉には誰もがネガティブなイメージを持っているはず。失敗は恥ずかしいし、自信を失うこともある。しかし、かつての発明家トーマス・エジソンは「失敗は“うまくいかない方法の発明”である」と語っている。 憧れの人、身近な人の“失敗”という発明が、あなたの生活にヒントを与えてくれるかも。今回は女優、モデルであり、2児の母である青柳文子さんにお話を伺いました。


 

ASBS:自己紹介をお願いします。

青柳文子(以下:青柳):青柳文子です。 モデルと女優をしています。

ASBS:早速ですが、「失敗」と聞いて思い浮かぶ、ご自身の失敗ってありますか?

青柳:めちゃくちゃ遅刻してきた人生だったなと思います。 一番に思い浮かぶのはそれです。 たくさん繰り返した失敗が遅刻です。(笑) ついに、ここで遅刻魔ということをバラしてしまう…。

ASBS:その印象は確かにちょっとあったかもしれないです(笑)

青柳:あっ一応直ってますよ!人並みくらいには。でも人より失敗を重ねて学ぶペースが遅いですね。千回くらい失敗してやっと直ってくる。 ダメな人ですね。(笑) でもお酒の失敗とかは1回で学んだかな。

ASBS:青柳さんもお酒で失敗した事があるんですね。

青柳:すごい若い頃。 飲む量とか最初の方ってよくわからないじゃないですか。 でも楽しくなってたくさん飲んじゃって、人に迷惑をかけてしまった事があって。自分のプライド的にも許せなくて、さすがに「これは…」ってなってセーブするようになりました。(笑) それは1回で学びましたね。 結構嫌だったな…。

ASBS:それは自分でもショックを受けちゃいますね。今は2児の母ですが、母になってから、これは失敗したと思ったエピソードはありますか?

青柳:なんだろう。 子育てって結構失敗が許されないとこがありますよね。でもたくさんしてるような気もします。 子育てに関しては結果が見えにくい部分が多いから、 何が失敗だったのかは全然わからないですけど。

ASBS:確かに。 失敗ってどこからが失敗なのかもよくわからない事もありますよね。

青柳:そもそも失敗を失敗と思わないようにポジティブに生きてる人だから。(笑) 結婚も失敗が許されない感じありますよね。 失敗だったのかもしれなくても、もう戻れない。 失敗したー!と思ったら、離婚すればいいのかもしれないけど、限りなく失敗に振れそうなところを、どう失敗に終わらせないか。 結婚生活ってそうだなって。 失敗を回避する日々を送ってます。(笑)

ASBS:なるほど。 勉強になります…。それでは、学生時代に失敗したなと思うことは?

“ 憧れの先輩がいるという理由で高校を選んだら、入学した頃には辞めちゃってたし。(笑) ”

青柳:高校の選び方は失敗だったなと思っています。というのも、中学3年生の頃、北海道に農村留学をしてたので、高校受験を飛行機で大分までしに行かないといけなくて。一度は滑り止めの私立高校を受けに行ったのですが、2度目の公立受験のタイミングで、またわざわざ飛行機乗って行くのが面倒だったので、もう行くのをやめてしまって。地元の高校の情報もほとんど手に入れられなかったから、制服が可愛いし、憧れの先輩がいるという理由で選んだはじめに受かった学校に決めちゃって。先輩、入学した頃には辞めちゃってたし。(笑)入ってみたら、何事も活気のない校風で、とにかく学校生活が楽しくなかった。受けるはずだった公立高校に入った友達はすごく楽しそうにしてて、ちゃんと選べばよかった。これは失敗だ、と。これを機に、何事も情報収集はきちんとするようになりました。

ASBS: 先ほど言っていた失敗を失敗と捉えないポジティブな考えは元々の性格からですか?

青柳:失敗しすぎてるからだと思います。(笑) 失敗しすぎているからこそ、いちいち気にしてたら身が持たない。「失敗したな〜」って落ち込む前に急カーブで「でも大丈夫」って発想の転換はできるようになりました。おかげで、散々失敗したはずだけどもう覚えてない事の方が多いです。

 

ASBS:恋愛や結婚生活の面ではいかがですか?

青柳:恋愛の失敗とかはわかりやすいですよね。失敗だったなと思うから別れたりして。次は違う人と付き合ってたりして、 夫婦の間でも、これは失敗したなと思うことはちょくちょくあって、この言い方をしたら相手が逆上するとか、喧嘩をしてどちらかが家を出て行くくらいまでに発展したら、それは失敗のパターンだったのだなとか。さっきも言ったように、結婚相手だけは失敗として終わらせられないから、喧嘩を繰り返しつつも、徐々に徐々に相手を逆なでしない言い方になってきたりとか。 そういう細かいことの繰り返しですね。 でもすぐ忘れちゃって同じ失敗を繰り返すんですよね(笑)まぁそれはある意味ポジティブということで。(笑)

ASBS:私はなかなか忘れられないので羨ましいです。(笑) では、一番古い記憶の失敗は何ですか?

青柳:一番最初の失敗は3歳の時にバレエ教室に通っていた時、いつもチュチュだけは着て踊らず見学するだけの内気な子供で、みんなと音楽にのってスキップしながら円を描くレッスンがあって、今日こそはこの輪の中に入ってみんなとスキップをするぞ!と思いながら心の中で「次!次!次は絶対いく!」ってタイミングを見計らって、「今だー!」って勇気を出して行った時に、後ろの子に抜かされて号泣。「もうやだやめるー!(泣)」って。それが人生最初の挫折です。(笑)今覚えば心弱かったな〜。

ASBS:3歳の女の子にはショックが大きそうな事件ですね。(笑)

青柳:それで私は立ち直れなくてやめちゃって、でもずっとその失敗が自分の中で残っていて、内気なまま生きてたんですけど、どこかで変えたいと思ってはいて、小学校高学年の時にダンスを習い始めたんですよね。だんだん慣れてきて度胸がついてきて、人前に出たらパフォーマンスしないと格好良くないし、モジモジしてる方が格好悪いって気づいて、前に前に出て行けるようになって。 そこから結構性格が変わっていきました。学校でも学級委員みたいなことができるようになったし、通信簿とかにも堂々としてるって書かれるようになった。

ASBS:その気持ちが今の仕事に繋がってるとこもあるかもしれないですね。

青柳:それはかなりあるかもです。 でも内気でマイナス思考な性格も両方あって。 マイナスに寄っていくと私はとことん落ちてしまうので、それを知ってるからこそポジティブにいかなきゃって。 両極端な性格が常に戦ってて、時々負けて。そういう時は身体が嘘をつけなくて、眠れなくなって、朝起きれなくて遅刻する。(笑) でも最近は失敗する予兆が見えてきたら早めに手を打てるようになりました。失敗を重ねることで、傾向と対策が確かなものになってきた感じです(笑)。

ASBS:仕事面での失敗はありますか?

“ 気づいたら「あれ、私の立ち位置なんか変」みたいな ”

青柳:若い頃はよくわかっていなかったので、言われるがままに仕事をしてたことが多くて。 気づいたら「あれ、私の立ち位置なんか変」みたいなことがありました。 他のモデルさんは私服で出ているページなのに、私は服をあまり持っていないからってスタイリストさんにしばらくお任せしていた時期があって。ある時、ファンの方がいう“青柳文子ちゃんっぽい”のイメージが本当の自分とかけ離れてしまっていたことに気づいて、ハッとした。 本当の自分と違うものを読者は受け入れてしまってると思うと申し訳なくて、ちゃんとやっておけばよかったって思いました。それ以来なるべく、自分でコントロールできる部分はやらせてもらっています。

ASBS:自分でやるようになって仕事の内容なども変わってきましたか?

青柳:変わりました。 それに、一緒に仕事をする相手との目線合わせが楽になったし、気持ちよく仕事できるようになりました。なんか違うなと思ってた小さい何かが減ったというか。 どこまで自分の意見を出していいかわからないし、図々しいかなとか考えてずっと言えなかったけど、自分の意見を出して納得できるものができたりすると、あー、自分を出して良かったんだなーって。

ASBS:何年か前に出版された「あお(※1)」なんかもそうですよね。

青柳:まさに! あれはかなりはじめの段階から印刷ギリギリまで関わってます。やってても楽しかったし、評価も高くて嬉しかったです。過去の失敗と反省があったからこそですね。

ASBS:最後に人生最大の失敗は何ですか?

“ 初めての出産・妊娠は人生で一度きり ”

青柳:といってもまだ30年くらいしか生きてないからな〜。 失敗っていうと大げさかもしれないけど、初めての妊娠とか初めての出産って人生で一度きりしかないから、ちゃんと記録しておけば良かったです。 その時しか感じられない気持ちや感動を言葉に残しておけば良かった。 落ち込んではないけど、取り戻せないという点では一番の失敗かもしれないです。 ちゃんと残しておいた方がいいよ!って声を大にしてみんなに言いたいです。

ASBS:失敗って表現はちょっと勿体無い、いい話ですね。

青柳:ですね、失敗ではないか。 あと大きめな失敗だと、飛行機乗り遅れるのが…本当に嫌です。 何回もある。(笑) 乗り換えでぼーっとしてて飛行機が行っちゃったとか。 仕事でも一回ありました。 あの時は本当に申し訳ございませんでした…。

ASBS:それは大変でしたね。(笑)

青柳:あ、人生最大の失敗は、旅行してて荷物を全部盗まれたことかもです。 私のせいじゃないけど。(笑) インドから日本に帰る日に、お財布と携帯、パスポート、カメラや貴重品全部取られて、無一文になって帰れなくなって、インドで物乞いしましたね。 「お金ください」って。(笑) この失敗から得たものといえば、何が起こっても動じなくなりました(笑)でもすごい面白い体験でした。

ASBS:なかなかない体験ですね。青柳さんにとって、「失敗を失敗と捉えない」ことが失敗を乗り越える秘訣ですか?

青柳:捉えろよって話だよね!(笑)捉えてるんだけど、捉えてるからこそ捉えない。難しいけど、つまりは“失敗”として終わらせないってことです。希望は絶対に捨てないという感じです。(笑)

ASBS:希望は絶対に捨てない!何ともポジティブな言葉ですね。 本日はありがとうございました!

 

普段はクールに見える青柳さんの意外な一面が垣間見えたインタビューでした。

※1 あお=2015年に出版された青柳文子監修によるカルチャーマガジン

 

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青柳文子

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ASBS

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