清廉潔白にはみ出していく。新しい学校のリーダーズの真髄に迫る

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セーラー服と「はみ出していく」と書かれた靴下を身に着け、ジャンル不明なダンスパフォーマンスと独特な歌詞で世間から注目を浴びている4人組グループ「新しい学校のリーダーズ」。

セーラー服と「はみ出していく」と書かれた靴下を身に着け、ジャンル不明なダンスパフォーマンスと独特な歌詞で世間から注目を浴びている4人組グループ「新しい学校のリーダーズ」。

彼女らはなぜ、小さなレジスタンスとして社会へアンチテーゼを投げかけているのでしょうか。活動に込めた思いを伺いました。

「はみ出していく」とはルールを守った上でやりたいことをやること

――新しい学校のリーダーズは、どんなグループなのか教えてください。

MIZYU:「はみ出していく」という言葉を、靴下にも掲げているように大切にしています。「周りの目を気にせず、個性を大事にして、力強く生きる」というのが私たちが言葉に込めた思いです。

SUZUKA:単純に、好きなものを好きと言える、やりたいことをやれる強さを目指しております。

KANON:そういった「若者の現代社会における反抗の象徴」が私たちだと思っていますね。
 

  (上から)SUZUKA、KANON、RIN、MIZYU

――そういえばいつも衣装は制服、というところも個性的ですよね。

RIN:半袖だった時期もありますが、制服というのは結成当初から変わってないですね。

KANON:靴下も、今までもふくらはぎくらいの丈で、「はみ出していく」と書かれたものを履いていたんです。今回は新曲「キミワイナ'17」というマラソン大会がテーマの曲にリンクする、スポーティなライン入りハイソに変わっています。

MIZYU:学生といえば、制服には校則がつきものですよね。私たちは膝下丈のスカートを穿き、袖もキチンと留めて校則を守りつつ、唯一おしゃれができる靴下で個性を出しています!

――新しい学校のリーダーズの「はみ出していく」とは、校則をはみ出すことではない。

SUZUKA:「はみ出し」を「違反行為」とイコールで見られがちなんです。だから「今日、はみ出してないね」って言われることもあるんですが、ふざけることがはみ出しだとはそもそも私たちは思っていないんですよ。そこを勘違いされないようにしたくて。ルールを守った上で自分のやりたいことをやるのが「はみ出し」っていうことを、キチンと伝えていきたいです。
 

 

全員の心が通じ合ってるから、新しいものを生み出せる

――見た目はキチンと、やりたいことは堂々と。世の学生さんがマネしてもいいような模範的なグループだったのですね。そんな新しい学校のリーダーズの楽曲の特徴は?

MIZYU:プロデューサーをPE’Z、東京事変などでも活躍されているH ZETT M(エイチ・ゼット・エム)さんという鬼才ピアニストの方が担当してくださっていて、ピアノ使いも激しいです。

KANON:H ZETT Mさんの作る曲が好きな大人のファンや、学生目線の曲に共感してくれる同世代の女子のファンなどファン層は幅広いです。

MIZYU:歌謡曲テイストな曲が多いから若者には新しく感じるし、大人だと懐かしい気持ちで聴いてくれるみたいです。

――独特な曲調ながら、さまざまな世代に刺さりそうですね。プロフィールに「4人組パフォーマンスユニット」とありますが、ダンスのこだわりを教えてください。

KANON:ダンスは自分たちで考えているんです。私は昔からジャズダンスをしていて。

RIN:私はヒップホップやポップ・アニメーションダンスとかとちょっと特殊なダンスをしていました。

KANON:SUZUKAはフリースタイル。それから構成を作るのもすごく上手くて。MIZYUは手で表現する細かな動きが得意です。そういった4人の個性を生かしてみんなで意見を交換し合い、単純じゃない新しい物を作り出せるんですよ。

――ジャンルが決まっているわけじゃないんですね。

SUZUKA:私たち発信の新ジャンルとして確立させたいですね。
 

 

――今日の撮影でもフォーメーションがバッチリで。何も打ち合わせしていないのにキマっていておもしろいなと思いました。

KANON:私たち、感覚的に心が通じ合ってるんですよね。

MIZYU:メンバーの動きを全て把握していなくても、フィーリングでキマるんです。

――それって特にライブで発揮できそうですね。

MIZYU:そうなんです。「はみ出していく」が一番伝わるのがライブだと思っていて。踊りも歌も生で伝わるじゃないですか。恐縮ですが、よく「熱量あるね」ってライブを見た方に言っていただけます。

SUZUKA:私たちがライブで大事にしていることは「やりきる」ということ。全力を出し切ってスカッと終われるようにしよう! って、ライブ前の円陣を組むんですよ。これをしないでライブに出ていたころ、始めから全力が出せていない気がして、悔いが残ったことがあったんです。4人で話して「これをやったら今日もいける」って自信につながるものを作ろうと決めて。それが、ライブ前のストレッチ、発声、円陣。これをするようになってからライブパフォーマンスも上昇したように感じます。

RIN:円陣ではみんな全力で背中を叩き合うから、気合いが入りますね。

SUZUKA:デビューしてから気持ちをひとつにする機会がより増えて、意識も高くなったし、本当に変わったと思います。だから、私ら売れるんじゃないかって。
 

 


――そんな自信があるわけですね。

SUZUKA:常に新しいものを求め続けているので、世の中に爪痕を残せるっていうのは事実なんですよ。それを受け入れるかどうかは人それぞれかと思うんですけど、それができる私たちは、もうなんだかイケるんじゃないかって。こういった自信があるとライブパフォーマンスの輝きも全然違ったものになりますから、この気持ちはとても大事にしています。

社会に小さく反抗しながら、若者の気持ちを全力で表現していく

――10月25日にセカンドシングル「キミワイナ'17」が発売されました。先ほども少しお話でもありましたが、マラソン大会がテーマなんですね。

MIZYU:マラソン大会で一緒にゴールしようねって約束したのに、裏切られてしまう。そのときの儚さや切なさを、必要以上に壮大に表現した曲です。

――必要以上に(笑)。でもこれ、すごく気持ちがわかるかも。みなさんはこういった経験あります?

一同:あります!
 

MIZYU:友だちと「一緒にだらだら走ろうね」って約束するんですけど、こいつおっせーなって思われたんでしょうね。どんどん先に行ってしまい……。私がやっとゴールしてぜえぜえ言ってるときにはもう、すっきりした顔で先に戻っていたりするんですよ。これ、置いて行かれた人にとっては本当に忘れられなかったりするので、壮大に表現しないといけないなって。

――あはは、相当恨んでますね(笑)

MIZYU:そうですねー(無表情)。

RIN:私、どっちも経験あります。置いて行かれたことも置いて行ったことも。私も足遅いほうなんですけど、自分よりも遅そうな子と一緒に走る約束したら、思ったよりも遅くて……置いて行っちゃいました(笑)。

――裏切り者もいた(笑)。両方の気持ちがわかる、感情移入ができる曲ですね。

SUZUKA:MVは給水場で撮影しているんですけど。実はちょっとした傾斜になっていて、踊るのが大変でした。しかも小さな石が埋まっているようなコンクリートの地面で膝ついて踊ってるから、みんな脚から血が出まくりで(笑)。よく見ると脚に絆創膏貼ってるんですよ(笑)。

MIZYU:ちょっと気を抜いたらおにぎりみたいにコロコロ転がっちゃうんですよ。転がりながら「どこまで行っちゃうの〜〜〜!」って思いました。

KANON:それは言い過ぎですね。

MIZYU:盛りました。

SUZUKA:とにかく全力で頑張らせていただいたカットでしたね。MVはストーリー仕立てになっているのでぜひフルで観て欲しいです。
 

――カップリングの「SNS24時」は、歌詞を辛酸なめ子さんが手がけられていますね。こちらはどんな曲ですか?

RIN:近ごろの若者って、SNSのために生きて、気づくと自分がなくなるっていうスタイルの子が多いんですよね。

MIZYU:SNSでならケンカできるし言いたいことが言えるけど、直接になると言えなくなるとか。そういう子を見ていると、なんだか携帯やスマホのない時代に憧れてしまいますね。今って便利ですけど、リアルではないところで裏の世界ができちゃうんじゃないかなって、この歌詞を見たら余計に考えさせられました。もちろん使い方によるとも思うんですけど。

SUZUKA:そして、ライブでは一番盛り上がれる曲になるんじゃないかっていう期待があるんです。私たちは赤色のメガホンを持ってパフォーマンスをするから、すごく特徴的で尖った曲になりそうだなって。これからたくさんライブして、これでお客さんとひとつになれたらいいなって思います。

MIZYU:それからこの曲は、年明け公開予定のWebアニメ「SNSポリス」の主題歌でもあるんです。私も声優として出演予定なので、アニメも合わせてチェックしてもらえると嬉しいです。

――放送が楽しみです! 先日は「全力坂」(テレビ朝日系列)にも全員出演されるなど、メディアでも頑張っていらっしゃいますね。

MIZYU:撮影はすごく楽しかったです。走った次の日から3〜4日くらい、全員筋肉痛になりましたけど(笑)。

KANON:ライブと走るのとでは使う筋肉が違うことを知りました。それはもう全力で走ったんで。

MIZYU:私たちいつでも全力なので!

SUZUKA:全力で1本走ったあとに、スタッフの方に「もうちょっと息が荒くなるくらい全力でお願いします」って言われたのがすごく悔しかった! 最後、顔がマジになってたと思います。
 

――全力なみなさんにぴったりの企画でしたよね。新しい学校のリーダーズの今後の活動予定は?

SUZUKA:年末までにライブがたくさんあります。聴いてくれた人に突き刺したい。

MIZYU:オフィシャルサイトでイベント情報は随時更新しています。ライブが一番「はみ出していく」私たちを見せられるから、ライブに来て欲しいですね。

photo:Kazuki Sano
edit & text:Tomoko Yabuta

INFORMATION

新しい学校のリーダーズ



踊る、セーラー服と奇行癖。と称され む、む、む。と、ざわつきながらも、
つまらない現代社会を強く・楽しく生きるべく、個性を発揮し、許される自由を見つけることで
社会に怒られないレベルでアンチテーゼを投げかけ、【はみ出していく】小さな小さなレジスタンス。
4人組ダンスパフォーマンスユニット「新しい学校のリーダーズ」でーす。
http://leaders.asobisystem.com

■「キミワイナ’17」MV
https://www.youtube.com/watch?v=z3mx6o3aK18

■「SNS24時」MV(YouTube ver.)
https://youtu.be/bEmHPG0iw4E

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