カレーときどき村田倫子 #9 アーガン

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春夏秋冬、朝昼晩カレーが食べたい!」そんなカレー好きによる、カレー好きのための連載。持ち物は、お財布とカメラと、ほとばしるカレー愛。自他共に認める、無類のカレー好き村田倫子ちゃんが、都内のカレー屋さんを訪ねます。

今回訪れた街は、新大久保。
え、新大久保でカレー? サムギョプサルとかじゃなくて?!と思ったあなたにこそ足を踏み入れてほしい、魅惑のネパールカレー!

インドとネパールのどちらの料理もやっています、というお店には結構出会えるのですが、ここの魅力は、ネパールの民族料理1本勝負ということ!
き、君の名は!ならぬ、店の名は…「アーガン」!

このビルでいいの?!と、若干訝しながら4Fへ。
扉を開けるやいなや、異国情緒が漂いまくっている!
マニ車やカマド、現地の伝統的な楽器などなど、豪華なレプリカたちに迎えられ、とりあえず、着いてすぐ 一行は“ネパール”に妄想旅!

スタッフさんに日本人はいないようで、我々の観光感は増し増しに!
微笑んでくれる優しいスタッフさんたちに見守られながら、広々とした店内を練り歩き、楽器を吹いてみたり…

はたまた、カマドに当たってみたり…と、とひとしきり、妄想旅を堪能したのち、いざ、オーダーへ!

メニューを一通り見ながら、これも食べてみたい! こっちも美味しそう!と未知の味わいに思いを馳せる倫子ちゃん。
と言っても、倫子ちゃんは、毎回オーダーを決めるのがかなり早い方だと思うのです!
好奇心とインスピレーション、そして思い切り。
良きオーダーの“心”得は、この連載を通して、私たちが倫子隊長から学んだことの一つです。

頼んだのは、アーガンスペシャルタカリセット。
彩り鮮やか、種類豊富! 見るも豪勢なセットです。
ご飯、チキンカレー、マトンカレー、豆スープ、漬物、サラダ、野菜カレー、乾燥発酵野菜の漬物、青菜炒め、バターオイル、パパドゥ、トマトの漬物、デザート。なんと、〆て13種類!
1350円なので、およそ1種類100円ほどという計算。コスパ!!!

ザ・スパイスってカレーが食べたかったから嬉しい〜!と倫子ちゃん。
一言で言うと、辛味と旨味と、そのどちらをも引き立てるいい具合の箸休め。
そのローテーションが1周回った地点でもう、ネパール料理にハマっている。そんな感じなのです。味覚の融合が計算され尽くした、全ての付け合わせに意味があるラインナップ。お見事!

「タカリ」は民族の名前で、カリガンダキ川周辺に住んでいるタカリ族を指しているとのこと。その料理の美味しさは本国でも有名なのだとか。
倫子ちゃんが持っているのは、豆の粉から作られたおせんべいのようなもの。好みのカレーや付け合わせにディップして食べても◎。
パリッとした食感が最高。


ミックスモモ ¥1480

モモと呼ばれる、ネパール風餃子も頼みました!
蒸し、スパイシー、揚げ、ほうれん草&チーズ…と種類豊富なモモが集結!
皮のモチっと、時にパリッとした食感を始め、具の肉々しさも、スパイス後味も堪能できる現地名物です。

妄想旅から実践旅へ。
現地の美味しさで満たされた身と心で感じたのは、ネパールの人の優しさ。
どこか神聖に感じるふるさとの歌を歌いながらオープン準備をするお姉さん、慣れない日本語で懸命にメニューについて説明をしてくれるお兄さん。
お店の雰囲気は終始丸く、あたたかい。

そして、開店と同時に、お店の中はあれよあれよと現地の人で賑わいます。
「あそこに行くとふるさとの味が食べられる!」きっとそんな風に日本在住のネパール人の人々の中で話題になっているのでしょう。

アーガンは、旅であり、帰郷。
誰かにとっては旅先であり、また誰かにとっては故郷でもあるのです。
ここにいる人の温もりと美味しい手料理こそが、海も時間も超えた切符になる。
新しい発見と懐かしい感覚。
どちらもが同じくらいの大切さで存在している場所。

アーガン
住所:新宿区大久保2-32-3リスボンビル4F
電話番号:03-6233-9610
営業時間:1130(ランチは17時まで)
定休日:なし

【食べりんログ(倫子隊長による編集後記)】

一度降りれば、ハングル、KPOPアイドル、韓国グルメ…。アニョハセヨ〜、久々に来ました日本のコリアンタウン。
でも、でも箸休めに今回は韓国料理〜♡ではないですよ、もちろん。
今回この地で人気なネパール料理屋さんで、カレーをいただくの巻です。

お店が推してるランチのセットのオーダー。
メニューのボリューミーな写真を裏切らない(むしろ思ったより大きい!と感じた)豪華なプレートがどーんと目の前に…。
大食いなので、量があるのは嬉しい。お腹もいい感じに音を立てる。

マトンとチキンの二種。ピリッと辛みが効いたスパイスにマトンが引き立つ。はじめは、ちょっと辛い…?と思うのだけど、スプーンを運ぶにつれて、辛味と旨味の連鎖で手が止まらない。これぞスパイスの魅力じゃい。
チキンの方も、マイルドかつスパイスの風味が生きてるルゥのお味。
本家ネパール料理!すごい!すきだ!
私は結構スパイス効いてる方が好みなので、やっと出会えた…という感動をひしひしと噛み締めながら、ルゥをすすってました。

異国の料理って、見た目も味もはじめましてなので、未知の姿にわくわくするよね…。あ、これ何んだろ?と何かわからないままとりあえず食べてみて、見た目と味のギャップに驚く瞬間とかたまらない。

開店時にお邪魔したのですが、わらわらと入ってくるネパールのお客さま。(しかもみんな仲良く大人数できている)本家からもたくさん愛されているお店なんですね。まさに大人気本格的ネパール料理屋という評判を裏付ける光景でした。

本格的なのに、店内も味もお洒落に洗練されている。
ネパール料理のいう新境地の体験に、わたしの好奇心もまた一段と膨らみました。と同時に、カレーの可能性の広がりに、生きてる間に気になるカレーを全部口にできるか心配になってきた…。

Navigator&text:Rinko Murata
Photo:Kayo Sekiguchi
Edit:Namiko Azuma
Text:Miiki Sugita

出典:She magizine

INFORMATION

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“She magazine”
http://she-mag.jp

村田倫子

1992年10月23日生まれ、千葉県出身のモデル。ファッション雑誌をはじめ、テレビ・ラジオ・広告・ファッションショーへの出演など幅広く活動している。

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