9月公開の編集部おすすめ映画 3選


©2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会/ COMME DES CINÉMAS 
『寝ても覚めても』

「好き」という言葉を発する主人公を見て、こんなに不安に、心もとない気持ちになる映画は初めてだった。
言葉の向こうにあるもの。眼差しと余白の中に、ヒリヒリと脈打つ理屈と衝動。そして、愛。芽生えて、燃え上がり、失い、爛れて。絡まって解けない。
それでもその上に、また芽生える愛。

東京に転勤になったばかりの亮平は、会社にコーヒーを届けに来た朝⼦と出会う。真っ直ぐに想いを伝える亮平に、⼾惑いながらも朝⼦は惹かれていきふたりは仲を深めていく。しかし、朝⼦には亮平には告げていない秘密があった。亮平は、かつて朝⼦が運命的な恋に落ちた恋⼈・⻨に顔がそっくりだったのだ――。

寝ても覚めても
©2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会/ COMME DES CINÉMAS 

人は人の何に惹かれ、愛はどのように育っていくのか。
そんなことを考えられさせつつも、その理屈の奥にある一筋縄ではいかない人間の衝動を目の当たりにした。
飲み込まれて溺れてしまいそうな、激情の愛。
ただただ流れる時間の中で育んだ、懸命の愛。

飄々と再生されてしまった鮮烈な過去が、丁寧に紡いできた今を襲う。
そして、壊れた所から、裂けた切れ目から愛は動き出す。
当人たちすら気づかなかった、剥き身の姿を見せるのだ。
寝ても覚めても、“愛に逆らえない”2人の物語。
海は荒れて、川は澱み、愛を孕んで日々は続く。交わらない眼差しのその先に。


©2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会/ COMME DES CINÉMAS 


▼Information
『寝ても覚めても』
テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、 渋谷シネクイントほか全国大ヒット公開中!
原作:柴崎友香『寝ても覚めても』(河出書房新社刊)
監督:濱口竜介
脚本:田中幸子、濱口竜介
出演: 東出昌大 唐田えりか 瀬戸康史 山下リオ 伊藤沙莉 渡辺大知(黒猫チェルシー)/仲本工事/田中美佐子
音楽:tofubeats
配給:ビターズ・エンド、エレファントハウス
公式HP:http://netemosametemo.jp
 

© Agnès Varda - JR - Ciné-Tamaris - Social Animals 2016.
 
『顔たち、ところどころ』

芸術家2人と、トラック1台。旅の条件は、計画しないこと。
その道の先にあったのは、いくつもの新しい顔。
そして、はじめてなのになつかしいあの場所たち。
アートに溢れヒューマニズムに富んだ、人生を讃えるロードムービー。
新しい出会いたちはいつしか、記憶を辿る旅となる。

ヌーヴェルヴァーグの祖母と呼ばれる巨匠アニエス・ヴァルダと、大都市から紛争地帯などの様々な場所で人々の大きなポートレートを貼り出すアーティストJR。年の差54歳の二人は、ある日一緒に映画を作ることにした。
JRのスタジオ付きのトラックに乗って、フランスの田舎街へ作品作りの旅に出る。村の人々たちの顔を撮ることにした二人は、いくつもの出逢いを重ねていく。そこに芽生える、でこぼこで優しい友情の実話。


© Agnès Varda - JR - Ciné-Tamaris - Social Animals 2016.

出会いとは顔である。そして、顔と顔を合わせたその瞬間も、一秒先には思い出になる。その温度のある思い出たちを重ねていくことこそが人生だとしたら。心に残していくことこそが、人生だとしたら。
この映画は、人生そのものだと思う。

アニエスのだんだん見えづらくなる目、そしてサングラスを決して取ろうとしないJR。時に歌い、険悪になり、また笑いながら二人の旅は続く。
2人の心の目がピタリと合うのを感じる度、「人生って、いいものよ」、スクリーンを通して、アニエスがそんな風に語りかけてくるように感じた。
「JRは願いを叶えてくれた。人と出会い顔を撮ることだ。これなら皆を忘れない」とつぶやくアニエスの顔をいつまでも見ていたいと思った。


© Agnès Varda - JR - Ciné-Tamaris - Social Animals 2016.


▼ Information
『顔たち、ところどころ』 
9月15日(土)シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷ほか全国順次公開
監督・脚本・ナレーション:アニエス・ヴァルダ、JR
出演:アニエス・ヴァルダ JR
音楽:マチュー・シェディッド(-M-)
配給・宣伝:アップリンク
公式HP:http://www.uplink.co.jp/kaotachi/
 

ⓒ2018 映画「3D彼女 リアルガール」製作委員会 ⓒ那波マオ/講談社

『3D彼女 リアルガール』

美女×オタクの恋愛と青春を描いた那波マオ原作の人気コミック「3D彼女 リアルガール」がついに実写化!メガホンを取るのは『ヒロイン失格』『未成年だけどコドモじゃない』などで若者の心をわし掴みにしてきた英勉。
『ヒロイン失格』のスタッフを再集結させ、個性豊かなキャスト陣とともに、パワーアップした新たなラブコメに仕上げた。

書店で万引きの濡れ衣を着せられた学校一の美少女・五十嵐色葉を助けたのは、2次元を愛する超絶オタク・つっつんこと筒井光。リア充の色葉から突然の告白を受けたつっつんは新手のイジメだと疑いながらも、正反対のふたりの交際がスタートして……!?


ⓒ2018 映画「3D彼女 リアルガール」製作委員会 ⓒ那波マオ/講談社

とにかく見どころは、キャラ立ちが半端ない、今をときめく若手キャスト陣の大集結。ヒロインは愛らしさと神秘性を兼ね備え、女優としても勢いが止まらない中条あやみ。対するオタクなヒーローを熱演するのは、注目作への出演やラブコメ作品の主演が相次ぐ佐野勇斗だ。また、清水尋也、恒松祐里、上白石萌歌、ゆうたろうなど、今後の期待を担う面々が2人を取り巻く同級生として個性を炸裂させる。

完璧なルックスを持ちながら、男グセが悪いという噂もあるリア充女子と、コミュ障で恋愛経験ゼロの非リア充男子。
好きになるはずのない人。交わるはずのなかった世界。
正反対の2人が2人のやり方で大純愛を謳歌する姿に、いつしかエールを送りたくなる。
人を好きになるって、楽しい。人を知っていくって、素晴らしい。

ⓒ2018 映画「3D彼女 リアルガール」製作委員会 ⓒ那波マオ/講談社


 
▼Information
『3D彼女 リアルガール』
9月14日(金)全国ロードショー
原作:那波マオ「3D彼女 リアルガール」(講談社「KCデザート」刊)
監督:英勉
脚本:高野水登、英勉
出演:中条あやみ 佐野勇斗  清水尋也 恒松祐里 上白石萌歌 ゆうたろう
三浦貴大 / 神田沙也加(声の出演)
濱田マリ 竹内 力
配給:ワーナー・ブラザーズ