【8月公開の映画】編集部のおすすめ3選


© 2017 TULLY PRODUCTIONS.LLC.ALL RIGHTS RESERVED.
 
『タリーと私の秘密の時間』

この映画は2回観て欲しい。きっと2回目に痛感する。
タリーとマーロの言葉ひとつひとつが、想像以上に懸命なものだったこと。
そして、そのことにこそ観る意味がある映画だと思う。

3人目の出産を迎えたマーロは心身ともに疲れてしまう。そんな時やってきたのが、ナイトベビーシッターのタリー。若くてイマドキなタリーだったが、仕事は完璧。いつしかマーロの心に寄りそう、なくてはならない存在になる。
タリーは夜明け前には必ず帰ってしまい、決して身の上を語らないのだが…。


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マーロは今の私で、タリーはかつての私だ。
そう思う人もいれば、その逆もあるだろう。
これは、たしかに1人の母親の話だけど、母親だけに宛てたものじゃない。
歳を重ねる全ての人へ、そしてその手をとるパートナー全てへ捧げた物語だ。
タリーがマーロに対して、「奇跡を起こしてるの!」と叫ぶシーンがある。
1回目は胸がいっぱいになって、2回目には涙が溢れた。
過去でもなく、未来でもなく、今は今しかないこと。今の輝きを見逃さないこと。今でしかない今を愛すること。私はこの一言にそんなメッセージを感じた。

私たちは無いものねだりの連続だ。
自由を求め家を出て、恋人を求め、刺激を求め、安心を求め、家庭を求め、そしてまた自由が欲しくて、ふと、家を出たくなる。
毎夜あらゆるデートを重ねても、毎夜愛おしい寝顔を眺めることはできないし、毎朝同じ人からキスをもらうことが叶っても、毎朝心ゆくまで夢を見ることはできない。
だけど、朝の自分と夜の自分はきっと毎日会っている。
孤独な夜、動き出す朝。一瞬手と手を取り合って、今に今を明け渡していく。
安定しているいつかの自分を想像しながら、奔放だったかつての自分を振り返りながら、今日も、今しかない今を生きている。


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▼Information
『タリーと私の秘密の時間』
8月17日(金) TOHOシネマズシャンテほか、全国ロードショー

監督:ジェイソン・ライトマン
脚本:ディアブロ・コーディ
出演:シャーリーズ・セロン マッケンジー・デイビス マーク・デュプラス ロン・リビングストン他
配給:キノフィルムズ
公式HP:http://tully.jp
予告動画:https://www.youtube.com/watch?v=01092n8_RZY
 


©2017 Blue Monday Productions

『若い女』

ポーラ、31歳。恋人は去り、額の傷と白い猫だけが残った—。
恋人の去った彼女の元に、何が訪れるのか。
額の傷が治る頃に、彼女に何が残るのか。
其の行く末を見たいと思った。
 
フランス、パリ。
ポーラは10年付き合った写真家の恋人に突然別れを告げられる。
お金も、家も、仕事も持たないポーラは、恋人の飼い猫とともにパリを転々とする羽目に。ところが気ままな性格が災いし、居候先の友人宅からも安宿からも追い出され、疎遠だった母親にも拒絶されてしまう。
なんとか住み込みのベビーシッターのバイトを探し出し、ショッピングモールの下着屋でも働き始める。ようやく自分の居場所を見つけたかに思えたが…。


©2017 Blue Monday Productions

ポーラは絶望的でありながらも、頼もしかった。
傷ついていたには違いなけれど、強かった。
「パリが嫌い?」という質問に「パリが人を嫌いなのよ」と答えるポーラ。
お気に入りのアクセサリーを売っても、時に自分の素性を隠しても、
どこから追い出されようと、誰に批判されようと、このパリで、自分の道を作ってでも歩んでいこうとするポーラにこちらが勇気付けられてしまうほど。
そして、“若い”という言葉に縛られがちな私たちに、“なら、そこに自分だけの定義を当てはめてみよ”と訴えている気がした。

誰にも決めさせない、自分の人生。誰にも奪わせない、自分の自由。
彼女の決心そのもののように潔く鮮やかな青い服と、窓から差し込む陽の光。
一際頼もしく、強く、そして劇中最も美しいポーラの姿が、ラストシーンにあった。額の傷が治り、白い猫は去り、人生と自由が訪れた瞬間だった。
『若い女』このタイトルに然るべき作品だった。


©2017 Blue Monday Productions

▼ Information
『若い女』
8月25日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開

監督・脚本:レオノール・セライユ  
出演:レティシア・ドッシュ グレゴワール・モンサンジョン スレイマン・セイ・ンディアイ ナタリー・リシャール
配給:サンリス
公式HP:http://www.senlis.co.jp/wakai-onna
予告動画:https://www.youtube.com/watch?v=wyUarIvFXHE
 


©2018「SUNNY」製作委員会

『SUNNY 強い気持ち・強い愛』

原作となった韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』。
その友情の描き方に心掴まれたファンも多いことだろう。
そんなファンのひとりだという大根仁が、物語の舞台を日本に移し、監督・脚本を一手に担った。さらに、音楽は90年代の代名詞とも言える、“TKサウンド”で時代を席巻した小室哲哉が担当。完全オリジナルで制作した自身最後の映画音楽となる劇伴24曲も映画の大きな聴きどころだ。

時は、日本中の女子高生がルーズソックスを履き、空前のコギャルブームに沸いた90年代。そんな時代に共に青春を謳歌した女子高校生の仲良しグループがあった。その名も「サニー」。22年の時を経て、サニーのメンバー6人は、それぞれの問題を抱える大人になっていた。
—専業主婦の奈美は、ある日、久しぶりにかつての親友・芹香と再会する。
しかし、彼女は末期ガンに冒されていた…。
「死ぬ前にもう一度だけ、みんなに会いたい」。芹香の願いを叶えるため、奈美が動き出す。裕子、心、梅、そして奈々…、かつての仲間は無事、芹香の前に再集結できるのか?


©2018「SUNNY」製作委員会

「最強!」とプリクラに書きながら、本気でそう思っていた。
何にも怖いもののなかった女子高生時代を振り返る。
毎日がキラキラしていて、何でもできる気がした。
小さなことで悩んで、同じくらい小さなことでいつまでも笑えた時代だった。
今だって楽しいけれど、あの頃のように「最強!」ではない。
本当に?

スクリーンの中の“仲間たち”は自ずと自分の“仲間たち”に重なる。
同じ歌を歌って、同じことで笑った仲間たち。
人生の中でも一際濃い時代を共にした仲間も、あの頃の有り余ったエネルギーも、まだ心のどこかで生きている気がした。
私たちは強い。今だって強い。いつまでも強い。
長く会っていないいくつもの顔を浮かべながら、そんな風に思えた。


©2018「SUNNY」製作委員会

▼Information
『SUNNY 強い気持ち・強い愛』
8月31日(金)全国東宝系にてロードショー

原作:「Sunny」CJ E&M CORPORATION
監督・脚本:大根 仁
出演:篠原涼子 広瀬すず 小池栄子 ともさかりえ 渡辺直美
池田エライザ 山本舞香 野田美桜 田辺桃子 富田望生
三浦春馬 リリー・フランキー /板谷由夏
音楽:小室哲哉
配給:東宝
公式HP:http://sunny-movie.jp/
予告動画:https://m.youtube.com/watch?v=xEQ-JdiHdbc