【古着と人と、しばさきと】Vol.2 HAIGHT&ASHBURY

【古着と人と、しばさきと】Vol.2 HAIGHT&ASHBURY


今回訪れたのは、下北沢・HAIGHT&ASHBURY。“ヘイト”の愛称で親しまれ、国内外を問わず、古今東西からお客さんが訪れる、ファンの多い老舗古着屋さんです。


「ここが好きなの!」とアンティークフロアのお気に入りの場所に身を置くしばさき。
ここが好き、って素直に言える場所を家の外に持っているってとても素敵で無敵なこと。古着を見つめるしばさきのキラキラした目がそんなことを物語っていました。


 
「すごくアットホームで、お客さんともフレンドリーな仲間感がある。でも、ここぞ!という時には、豊富なアイテムラインナップと老舗ならではの知識と経験で、すっごく頼もしい存在でもあるんです。それがヘイトが愛されている理由なんじゃないかなって思うんだ」
 
 
今日ここで会いたかった人は、スタッフのオヨさんこと岩崎彩さん。
「オヨさんってね、会うと落ち着くと同時にすっごく気持ちが上がるの。そこにいるだけで、みんなを喜ばせてくれるような不思議な人なんです。今日はそんなオヨさんの魅力を伝えたいっていう気持ちも強く持ってここにきました」


1880年代〜1890年代ヴィクトリアンジャケット(オヨさん私物)

13年前のある日、ライダースを買いたくて、HAIGHT&ASHBURYに足を運んだ1人の女の子がいました。大きいサイズしかなかったライダースの代わりに、スタッフさんが勧めたのは、ヴィクトリアンの約120年前のジャケット。裏打ちの縫製、ウエストを締め付ける為のボーン、前ボタンは締まりません。
全てが新しくて見たこともないもので、女の子はすごくドキドキしました。「私は、ここでアンティークに出会えた事で、この仕事に進む決意ができました」そう、このお話はオヨさんの物語。この写真のヴィクトリアンジャケットが、オヨさんが初めてここで買ったヴィンテージでした。
 

「あの時『ライダースないよ』で終わらなかったスタッフの提案が、私の人生を変えてくれたと言っても過言ではありません」と語るオヨさん。良い古着に出会えるかどうかは、良い人に巡り会えるかどうか。その考えは、人との出会いを何よりも重んじるしばさきと通じている気がした。


服と同じ数だけその向こう側にいる人たち。人と出会っていつも感じるのは、情のある仕事がしたいということだとオヨさんは言う。
「今のようなネット社会だからこそ、わざわざ足を運んでもらった時に、生身の人間でないと出来ない事を大切にしていきたい」
クリエイションだって、そうだ。生身の人と人が出会って生まれるもの。今回この連載でしばさきがどうしても伝えたかったのは、そんな、人の手によって生まれる温度のあるものだと思う。


—ANOTHER STORY HAIGHT&ASHBURY—
Styling:OYO as aya iwasaki
Model:saki shibata


誰かに引き出される感覚と、そのときめきを忘れたくない。何かを脱いで、そこから何かを着て、どこまでも、何度でも、生まれ変われるのが、私たち。



saki「ヘイトを紹介する時は絶対作品撮りって決めていました。自分が可愛いと思ったものを伝えることも好きだけど、ここにはここにしかない超越された世界観があって、何よりもそれを伝えたかったから。そして、私自身がオヨさんの生み出すスタイルを体感してみたかったんです。本当にずーっとウキウキしてました! ここは、新しい自分を引き出してくれる場所」


 
saki「オヨさんって、“色の人”なんです。どんな色も自分のものにしちゃう人。誰にも思いつかないような組み合わせをしたり、レイヤードで色を作り出したりするオヨさんを見てると、どんな風に色を捉えているんだろうなあっていつも気になっていました」


oyo「最近、ツイッターでふざけて"私の本名は彩。色彩の申し子です。"って呟いたことがあったんだけど、生まれたての私は色白で「彩りを添えられるように」という由来で親に名付けられたの。そういう、生まれ持った運命みたいなものが、ちょっとはあるのかなあ?(笑)」


saki「オヨさんの色に対して自由なところがすごく好き。自分じゃ選ばないものや、普段は手にしないものも着てみたくなる。もう、色の魔術師って思ってる! その色彩感覚っていつくらいから持っていたんですか?」


oyo「好きな色は?の問いに答えられなくて、その概念がない事に気付いたのは高校の頃だったなあ。色は組み合わせでしかなかったし、一口に赤といってもトーンもあるし、一言では答えられなくて…。色を平面ではなく、立体的に捉えているっていうのかな。例えば同じ色の服を100着並べてみました。でも古着って全く同じに見えても、生地の厚みや揺れ方や影の出方や雰囲気で、もう全部違う。それが、楽しくて仕方ないんですよね」


全く同じ絵は二度と描けないし、昨日と同じ背景に、今日自分はいない。その日の空気も、その時間もそれきり。


oyo「服を選ぶときのテーマは一言で表すと気分。朝起きて何が起きるか分からないから、家出る寸前まで決めません。朝起きてぼーっとiPhone見てたら目が覚めるようなニュースが飛び込んでくるかもしれないし、散歩先で見た事ない花を見つけてしまったらそわそわするし、ああ、あの子着ようってなるかもしれない。朝の空模様で髪の毛の色を変える事もあります。だから気分で絵を描くように服を選んでます」


 
saki「心の底から古着が好きで、ヴィンテージが好きで、アンティークが好き。それがあの柔らかい雰囲気の中にも、しっかりムードとして確立されているオヨさんを尊敬しているし、大好きなんです。きっと、常連さんならみんなわかってくれる気がするなあ、私が言いたいこと(笑)」


oyo「洋服がハンガーに吊るされた状態でその価値が1だとしたら、
人が袖を通した時には10だったり、50に変わる。時としては、99が完成してしまう方もいらっしゃいます。この仕事で、その価値を私自身の提案で、100にも120にも変える魔法が使えるようになりました。私にとって古着は、人を救える唯一の商売道具。でも仕事が趣味なので、あまり働いてる感覚はないんだよね」

<CREDIT>
〔saki〕60’Sニットカーディガン¥21800、60’Sグローブ¥3800、50’Sシルクドレス¥31800、40〜50’Sコサージュ(すみれ¥7800、ピンク大¥7400、ペールピンク¥4800、青フェザー¥7800、オレンジコーム¥5800)50’S〜80’Sブローチ(お花大¥4800、すずらんブローチ¥5800、ペガサス¥3800、リボン¥3400)、60’Sイヤリング¥4400、80’Sシューズ¥8800/すべてHAIGHT&ASHBURY、1900年代ヴィクトリアンジャケット、ソックス/ともにスタイリスト私物
〔oyo〕1910年代シルクジャケット、1900年代コットンドレス、1990年代レオパードパジャマパンツ、ブローチ、ミュール(miumiu)/全てスタイリスト私物

 

oyo「ここにきて10年。どの年代の古き良きも吸収する事が出来た今、年代にはこだわらなくなりました。うちのお客様にも同じ感覚があって、年代だけじゃもう満足出来ないんです(笑)古いのは十分もうわかったから、次次!じゃあどうする?どう着る?って一緒に面白さを見つけていく事が何よりも楽しい」
 

ルームシューズ(すべてオヨさん私物)

感覚を養うというよりは、情報をもらうためのものが多く生まれている今だからこそ、好きな感覚を集めることには敏感でいたい。
なぜだか惹かれて、気がついたら部屋を埋め尽くしていたルームシューズの彩りがふと、背中を押してくれるようなことがあるからだ。
直感的に、素直に、人やモノと出会うこと。
コンパクトでなくてもいいから、この手で触れられるものを。
便利じゃなくてもいいから、この目でよく見えるもので。

連載2回目を終えて・・

感想だらけです。
多分話したらとまらないくらい 笑
素敵でたまらないでしょ?
オヨさん。今の時代にいてくれてありがとうございます!って思う。
オヨさんの完全スタイリング。
どこから撮ってもドキドキが詰まってて。
綺麗な色彩でこれってファッション?絵かな?
みたいな、着ている間私自信持ってた 笑
オヨさんに出会ってこうして一緒に何かをできてる私は、本当にラッキー。
日々の何気ない物事を繊細に感じて感じるままに真っ直ぐに生きてる人。
そして、それを自分流にみんなに伝えて表してくれて、プロフェッショナルです。
私の憧れる、プロフェッショナルな人♡(柴田紗希)

Instagram:@shibasaaki

INFORMATION

■HAIGHT&ASHBURY ヘイト&アシュバリー
住所:東京都世田谷区北沢2-37-2パラツィーナ2F
tel:03-5453-4690
営業時間:月〜金13:00〜21:00、土日祝12:00〜21:00
休:なし
HP: http://haightandashbury.com/ 
Instagram・Twitter:@haight_tokyo

RANKING


1週間でよく読まれた記事

PRESENT


プレゼント