TOKYO CAFE PATROL #15 浅草の心のお土産! 珈琲天国のホットケーキとカップの底まで楽しい一杯


雷門をくぐると見える仲見世通り、仲見世を抜けて拝むは、浅草寺の本堂。
ゆめまち劇場、公会堂、演芸ホール、東洋館、木馬亭、浅草九劇。寄席にお芝居、観光にグルメ。
浅草に来る目的が何であれ、必ず立ち寄りたくなるのが、六区にあるここ『珈琲天国』。
そう、浅草には天国もあるのだ!



この佇まいがまず、最高! 可愛いレンガと味のある屋根。コーヒーカップのフォルム、そしてこのフォント。もう、レトロなんです。創業は2005年だけど、もうずっと昔からここにあったのはこれだったんじゃないかって感じが出ています。



「この名前、お年寄りは嫌がる人もいるけどね(笑)。でも、『天国』っていいじゃないですか。みんなわかるし、読める。それって大切な気がして。外国人にも難しすぎないし!」
喫茶店をやりたかったというオーナーの上野留美さんは、場所が浅草なら名前はこれに決めていたという。気さくで笑顔が印象的な留美さん。そう、なんだか「留美さん」って、呼びたくなる人なのだ。



“喫茶界のニルヴァーナ”とは、言いえて妙! 六区なだけに、発想もロック!
「浅草は、どんな場所でも許されるからね!」
ざっくばらんに話す留美さんの姿に、「ああ、嫌なことがあったらここに来よう」とつい思ってしまう。



創業12年。変わらぬ味はもちろん、こじんまりとした店内、程よい照明、可愛らしいディスプレイ、それらもまた長居したくなる理由だろう。
 


修学旅行中の学生から、寄席帰りのおじいちゃんまで、幅広い客層で賑わう店内。混みあった時には、相席。帰る頃には、恋が芽生えていたなんてこともあるそう。



待ってました!
初めて天国に来たなら、このホットケーキセット(1000円)がおすすめ!
刻印がなんとも可愛いホットケーキと、天国オリジナルブレンドコーヒー。



このままプレーンでまず一口。そして、バターだけでもう一口。
程よい甘さと、ふんわりとした食感ながらも、小麦の味わいが感じられるしっかりとした後味。どら焼き用の銅板で焼いているのも特徴なのかもしれません。
最後はメープルシロップで、甘く甘く楽しむ。



上京前、好きだった人がこんな写メールを送ってきたことがあったなあ。
「こんな素敵な喫茶に行っているのか!」と、また好きになってしまったという天国にまつわる淡い昔話だけれど、その後上京してからこっそり1人で訪れた時に飲んだこのブレンドは、恋と同じくらい忘れられないほど美味しかった。
コーヒーが飲めなかった私が、唯一美味しく最後まで飲める一杯なのでした。



超個人的な思い出を取り出しつつ、「相席の恋が芽生えたのはここかしら?」なんて、つい思いを馳せてしまう窓際の席。
人の流れを横目に、美味しい珈琲に舌鼓。窓の外と窓の中、どちらもに見る人間の悲喜こもごも。ここに来ると、「ああ浅草に来たなあ」と思う人もきっと多い気がする。



あれ! あれれれれ!
そんな風に物思いにふけていると、黒い珈琲の地平線から初日の出のごとく、突如現れるかもしれませんよ! カップの妖精、あがた森魚様。
『赤色エレジー』を始め、数々の名曲を世に放たれている日本を代表するフォークシンガー。「地面の中から顔をのぞかせて歌をうたっていたい」と歌った、あのあがた森魚さんがカップの底から顔をのぞかせます。
どうしてここに?!



と、思ったらCDもありました!
なんとも、留美さんが大ファンでファンレターを送ったことをきっかけに、縁が出来たのだだとか! 今では天国でライブをしたり、オリジナルグッズを一緒に作ったりもしているそうです。素敵!



カップおみくじ(?!)は、大吉もあるそう。大吉さんも森魚さんも、こんな風にカップの底からじわじわ現れると、なんだか本当にいいことがありそうです!



メニューの美味しさはもちろん、オリジナルグッズもとっても可愛い。
何度も会いたくなる味と、ゆかいな店主の遊び心が散りばめられた場所。
すっかり日が暮れた浅草を見て思う。今日、浅草に来てよかった。
ホットケーキとコーヒーと楽しいお話、フォークシンガーにも会えて、恋も芽生える素敵な場所。
やっぱりここは紛れもない“天国”です。


Photo:Kayo Sekiguchi
Edit:Namiko Azuma
Text:Miiki Sugita
 

珈琲天国 
住所:台東区浅草1-41-9
電話番号:03-5828-0591
営業時間:12:00-18:30(L.O)
定休日:火曜日

出典:She magizine

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